9/16夜。
よくチェックしている、モータースポーツ関連のWebサイトを見ていて、にわかには信じられない記事を見付けた。
でも、その時点では詳細はハッキリしていなく、「らしい」と言う記述に留まっていた。
正確な情報が欲しいと願っても、遠い海の向こう…
正確な情報が判ったとしても、出来れば聞きたくも無い…
[0回]
9/17朝。
起きても忘れるどころか、「何かの間違い」を期待している様に、出勤前のわずかな時間で詳細を確認すると…
俺にとって、一番聞きたくもない結果が記されていた。
『2007年9月15日(土)
スコットランド・ラナーク近郊にて自家用ヘリコプターが墜落。
ヘリコプターの所有者で、その際、操縦していたとみられる元WRCチャンピオン「コリン・マクレー(39歳)」の死亡が確認された。
(MORTORSPORT CHANNEL内記事より引用)』
WRCに興味のある人間ならば、一度は聞いた事のある名前だろう。
また、WRCに興味がなくても、ゲーム雑誌などを時々でも読んでいた人間なら、一度は目にした事があるかもしれない。
『コリン・マクレー・ザ・ラリー』と言うタイトルで、シリ−ズ展開されたレースゲームが存在するのだから。
実は、俺にとって「コリン・マクレー」と言うラリードライバーは、ある意味「特別な存在」だったりする。
勿論、その内容を見た処で、他人には「それがそれほど大きなモノか?」と取れる程度のモノだろう事も判る。
俺の現愛車…SUBARU インプレッサWRXスポーツワゴン(GF8)
この車を買うキッカケは、紛れも無く「WRCドライバー/コリン・マクレー」が居たからだ。
当時の俺は、2輪のWGPやスーパークロス、4輪のF-1くらいにしか興味はなく、WRCの存在そのものをまるで知らない様なモノだった。
それまで乗っていた「TOYOTA MR-2(SW20)」から乗り換える時(家族が出来、スポーツカーでは厳しくなった)も、特に欲しい車もなく、どうしようかと考えていた。
そんな時、ある書店でWRCの雑誌を立ち読みしたら…
凄まじい土煙を巻き上げながらドリフトをしているシーンや、明らかに地面から数メートルは離れているだろう大ジャンプの写真が所狭しと並んでいた。
その中でも、俺の目が釘付けになった写真がある。
「紺一色に塗られた車体に、対照的なくらい鮮やかなイエローでカラーリングをされたマシン」が、悪路に片輪を跳ね上げられながらも、豪快なドリフトでコーナーを抜けていくシーン。
既に、当時のゼッケンまでは覚えていないが、そのマシンこそ若き日のコリンが操っていた「SUBARU IMPREZA WRX Group-A Car」。
その姿が頭から離れなくなり、その後、様々なWRC関係の雑誌やビデオを見まくり、挙げ句の果てにはワゴンボディながらも、そのフロントマスクは、コリンのドライブしていた「SUBARU IMPREZA WRX Group-A Car」と全く同じWRXワゴンを買う事になった。
それからと言うもの、俺の頭の中はWRC一色。
何年も、WRCに関する情報やテレビ・雑誌を見捲ることになる。
その度にコリンは、アグレッシヴでヒステリックな走りを披露し、凄まじい程の速さを見せつけてくれた。
その「速さ」故に"マクラッシュ"と言うニックネームがつく程、クラッシュも多かった。
でも、その「限界ギリギリまで攻め込む」姿に、共感を覚え、魅了されていった人間も多いはずだ。
勿論、俺もその一人。
近年は、コリンも引退し、他の名立たるベテランドライバ−達も引退したおかげで、少々熱は冷めて来ている様だが…
…ホントは他にも書きたい事が山ほどあるのに、どれを書いて良いのか判らない…
興味のない人には、どうでも良い事かもしれないが、俺にとってWRCに限らずF1でも、それこそ国内選手権でも、戦っているドライバー・ライダーは、一般の人にとっての芸能人だったり有名人達と同じなんだ。
…いや、もしかすると、同じ様な事をしたいと夢見ていた分、もっと大きい存在になっているのかもしれない。
コリンに限らず、全てのドライバー・ライダーは、俺にとって「英雄」であり「憧れ」であり「尊敬」に値する偉人達なのだから。
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コリン・マクレー(COLIN McRAE)
1968年8月5日 スコットランド・ラナーク出身(享年39歳)
WRC参戦数;146戦(内25勝)
1995年 WRCドライバーズチャンピオン(SUBARU-prodorive)
1986年 スコットランド選手権にてラリーデビュー
1987年 スウェディッシュラリーにてWRC初参戦
1991年 英国プジョー・ジュニアチーム、REDを経て、スバル-プロ
ドライブ加入 英国選手権チャンピオン獲得
1992年 英国選手権チャンピオン獲得
1993年 ニュージーランドラリーにてWRC初優勝
1995年 英国人初・史上最年少 WRC世界チャンピオン獲得
1999年 フォード-Mスポーツ移籍
2003年 シトロエンスポール移籍
2004・2005・2006年 日産より「パリ=ダカールラリー」に出場
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偉大なる、そして親愛なるラリースト…COLIN McRAE…どうか、安らかにお眠り下さい。
私は、貴方の姿・声・ドライビング、そして功績を、忘れる事はないでしょう。
コリン・マクレー氏の御冥福を、心よりお祈り致します。
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